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お酒のお供

お酒を飲みながら読んだら確実に悪酔いします。

『教習所にて』#1

漢(おとこ)の妄想特集『教習所にて』

ポータル記事の〔#0〕はこちら

 

そもそも教習所とは、教習を受ける場所のことである。何の教習か? 車の運転教習である。中でも、普通自動車・原付自転車・自動二輪の3種の教習を受ける者が多いとみられる。

ただし、このストーリーでは原付や自動二輪は度外視する。きょう私が君たちに話しておきたいのは「密室」すなわち「普通自動車」での出来事なのである。

 

ところで、教習所には教官(指導員)がいる。いなければ何も始まらない。教官のいない教習所など、夏休みのない8月のようである。あれ、どこかで聞いたフレーズだな。まあいいか。

無限に近いほど存在する職業のなかで、わざわざ教習所の教官になろうという人はどういう人なのか、気にならないか? 人に何かを教えたいなら学校の先生になればいいし、予備校にだって就職できるかもしれない。はたまた車が好きなら、自動車メーカーや部品メーカー、整備会社と様々な場が用意されている。それなのになぜ、である。素人目には教習所なんてつまらない職場に見えてしまう。

でも、その理由が遂に分かったのだ。

 

読者も思い浮かべてみてほしい。教習所の教官の姿を。実際に教習を受けた教官を思い浮かべてもいいし、単なる想像でもいい。

…思い浮かべたかい?

今あなたの頭の中に浮かんでいる教官はきっと、男性だろう。その通り。教官のほとんどが男性と言って間違いはなさそうだ。現実に、私が今通っている教習所で女性の教官は未だに見かけていない。

これは男女差別なんていう話ではなかろう。もともと志望するメンバーが男だらけだから、採用されるのも男ばかりということなのだ。いよいよ本題に入ってくる。では、なぜ男ばかりが教官になりたがるのか? この答えが、先ほどの「無数にある職場の中から教習所にわざわざ就職する理由」に同じということになる。

 

それは、教習所の教官になれば公然と「密室」に入り込めるからなのである。しかも、若い女の子と。

「あっ、もうちょい右にハンドル切って」なんて言いながら助手席から手を伸ばす。すると不意に女性教習生の手が触れる。教習生が冷めた表情なのも気にせずに、頬を赤らめる教官。でも、これで良いのである。教官になろうなどと企む男は、教官をしていなければ女の子の隣に座って二人っきりなんていう状況になり得ないような男なのだから。

まぁ、そのうちこんなニュースが頻発することだろう。

「次のニュースです。昨日午後6時頃、東京都中央区の東京セントラル教習所で、同教習所の教官で25歳の土変泰造(どへん・たいぞう)容疑者が20代の教習生の女性の太ももを触り続けたとして、迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されました。土変容疑者は容疑を認めているということです」

あぁ、もう汚らわしいったらありゃしない。

 

そう思って今日も教習所で教官を観察してみた。やはりいやらしい顔つきをしているではないか。特に歳を重ねた教官など、一人残らず頭をハゲ散らかしている。エロおやじというのは、大概ハゲているものなのだ。

更に技能教習の準備をする教官たちを見ていると、彼らは二つのタイプに分かれていることが判明した。一方は淡々と準備を進め、他方は口笛を吹きながら準備をしている。何か理由があるに違いない。

引き続き様子を伺っていると、教習生の乗車が始まった。私も遅れないように教習車に向かう。どうやら私の担当は「淡々と準備派」の教官のようだ。ふと視線を移すと、そこには「楽しく準備派」の教官がいた。その傍らにいるのはかわいい女性。また他の方へ向くと、こちらも「楽しく準備派」と綺麗なお姉さん。……なるほど。やはり教官は女好きなのだな。これで全て繋がった。

 

教官なんてみんなド変態である。これから教習所に通おうとしている女性は、くれぐれもご注意を。

……えっ? 合宿免許なら教官と会うのが短期間で済むから安全じゃないかって? 甘いな。合宿免許なんて行ってしまったら、ナンパ目的の男性教習生の餌食になっておしまいさ。

 

 

※このストーリーはフィクションです。