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〔完全版〕なんだか最近騒がしいからいわゆるカジノ法案について考察してみようじゃないか

考察 国内

 

なんだか最近騒がしいからいわゆるカジノ法案*1について考察してみようじゃないか。というわけで、色々と考えてみましょう。こんなに世間の話題になっているのに、「まあ…なんか楽しいならいいんじゃない?」みたいなことは言っていられませんからね。

様々な方面から検討してみます。長くなりそうなので、適宜目次のリンクを活用して下さい。これを読めば、カジノ法案の全てを知ることができる!?

 

法案の概要

まずは、この法案がそもそもどのような法案なのか、ということについてできるだけ細かく分かりやすく整理していくことにします。これは、法案に対する賛否ということ以前に、その内容をしっかりと理解しておくことが目的です。実際に、既に各所で様々な意見が出されていますが、ただそれに追従するだけでは味気ないではありませんか。

例えるならば、誰か女の子と付き合おうとするときに、「…なんかみんながあの子がかわいいって言ってるし、ここは一発付き合ってみようかな」ではなく「…俺はあの子の人間というものに惚れた。声、優しさ、包容力、手の指先の一つひとつの動きまで、全て俺の波長に合ってるんだ。俺にはあの子しかいない。あの子と付き合えるなら、今すぐ死んでもいい」ぐらいになってから付き合った方がうまくいくよね、という話です。それでは見ていきましょう。

ここまではユル~い感じで書いてきましたが、以下では誤解を防ぐため、真面目にいきますね。

法案の具体的な内容

一般的に「カジノ法案」「IR*2法案」と呼ばれているこの法律ですが、そもそもどのような内容を規定している法律なのか確認しておきます。

用語の確認(定義)

条文の順番とは前後しますが、まずはこの法案で用いられている用語の意味を明らかにしておきます。

今まで日本になかったものについて定める法律ですから、新たな専門用語を作るとともにそれを定義しなければなりません。用語の定義に関しては第2条に定められていますが、何も難しいことはありません。IRとは何かということだけが規定されています。

すなわち、IRとは「カジノ施設……及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設」です。また、IRは民間事業者が設置・運営をするものとされています。ちなみに、カジノ施設の入場料には国や地方公共団体に支払われる分も含まれることになりそうです(第13条)。

法律の目的と理念

この法律が、どのようなことを目的としどのようなことを目標として制定される(べきである)のかという点を見てみます。

これについて本法案第1条によると、特定複合観光施設(=IR、統合型リゾート)区域の整備推進についての基本的な事項を定めることと、IR区域の整備推進本部を設置することによって、整備推進を「総合的かつ集中的に」行うことを目的としています。また、同条では、なぜIR区域を造ろうとするのかということへのヒントも書かれています。IR区域の整備推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであると考えているため、とのことです。法案の提出理由にも、同様の内容が書かれています*3

また、IR区域の整備の推進は、「地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与する」ことと「適切な国の監視及び管理の下で運営される健全なカジノ施設の収益が社会に還元されること」を基本理念としています(第3条)。これに伴って政府は、IR区域が「地域の特性」と「国際競争力」の高さを兼ね備えた「観光地の形成の中核としての機能を備えたもの」となることと、国全体の観光産業の国際競争力強化と就業機会増大を図るために「必要な措置を講ずる」と定められています(第6条、第7条)。

ここでは「これは今からIR区域を造るための法案ではなく、今後IR区域を造ることができるようにするための根拠にするための法案である」ということ、「IRで経済を元気に!」と願っていること、「国を挙げてIR整備に力を入れていく」ということの3点を理解すればよさそうです。なお、これについては後述します。

カジノ施設への規制

やはりここが気になるところかもしれません。これまで日本でカジノが開かれなかったのは、カジノ内でいわば「闇の力」が働く可能性があったためですから、それを防ぐための規制がなければならないのは当然です。

この点については、「カジノ管理委員会」(第11条)という内閣府外局を設置して規制にあたるようです。「カジノ施設関係者」(第9条)*4は、全てこのカジノ管理委員会の行う規制に従わなければならないとされています。なお、この規制についてはまた別の法律を制定して定められます。

更に、第10条では政府として以下の措置を行うものと規定されています。

  1. カジノ施設において行われるゲームの公正性の確保のために必要な基準の作成に関する事項

  2.  カジノ施設において用いられるチップその他の金銭の代替物の適正な利用に関する事項

  3.  カジノ施設関係者及びカジノ施設の入場者から暴力団員その他カジノ施設に対する関与が不適当な者を排除するために必要な規制に関する事項

  4.  犯罪の発生の予防及び通報のためのカジノ施設の設置及び運営をする者による監視及び防犯に係る設備、組織その他の体制の整備に関する事項

  5.  風俗環境の保持等のために必要な規制に関する事項

  6.  広告及び宣伝の規制に関する事項

  7.  青少年の保護のため必要な知識の普及その他の青少年の健全育成のために必要な措置に関する事項

  8. カジノ施設に入場した者がカジノ施設を利用したことに伴い悪影響を受けることを防止するための必要な措置に関する事項

更に、参議院のwebサイトで見ることができる法案ファイルでは、「政府は、前項に定めるもののほか、外国人旅客以外の者に係るカジノ施設の利用による悪影響を防止する観点から、カジノ施設に入場することができる者の範囲の設定その他のカジノ施設への入場に関し必要な措置を講ずるものとする」(10条2項)という条文が付け加えられています(参議院内閣委員会で修正か)。

また、カジノ設置者・運営者に対して、国や地方公共団体は納付金を徴収することができるとされています(第12条)。

その他、IR整備推進本部に関する規定もありますが、これについては本論とは外れそうなので割愛します。

これまでの経過

主に「カジノIRジャパン」(記事末参考文献参照)のサイトの記述に基づいて整理します。

1999年に、当時の石原慎太郎都知事が都内でカジノ施設を解禁しようという意向を示したことがあるようです。おそらく当時は「また石原都知事が好き勝手言ってるよ」ぐらいだったのではないかと想像されるのですが(当時私は5歳ですからよく分かりません)、この後徐々に国政にも広がっていきました。2002年12月に自民党でカジノに関する議員連盟が発足。一部の地方公共団体も意欲を示し始めます。

そして超党派の「国際観光産業振興議員連盟」が民主党政権下の2010年に議論開始。その4か月後に「国際競争力のある滞在型観光と地域経済の振興を実現するための特定複合観光施設区域整備法案」を発表します。東日本大震災で一度議論は中断しますが、同年の8月には続いて「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」が発表されました。これに呼応して、民主党が党内にワーキンググループを設置し、3か月後には自民党も議論を始めます。そして2013年末にカジノ法案を提出したのが自民党日本維新の会(単独ではその半年前に提出)・生活の党の3党。2014年に衆議院が解散して法案は廃案になりますが、2015年に再提出され、継続審議となっていました。

そして今の臨時国会に至ります。

11月30日と12月2日に衆議院内閣委員会で審議。自民党谷川弥一議員が質問時間を10分弱余らせ、般若心経の話までし始めたのはもはや周知の事実です。5時間33分の審議時間を経て、衆院通過。

現在は、参議院内閣委員会で審議され、13日夜に可決。自民党による修正(付帯決議)を民進党が受け入れることで採決がなされたとされています。14日に参議院本会議で可決されたあと、衆議院へ回付されました*5。14日は臨時会の会期末でしたが、参院議長や内閣への不信任案の提出などもあり時間的な余裕がなくなったことから、17日までの会期延長を決定し、15日未明に法案が成立しました。修正後は、「ギャンブル依存症の防止」「施行後5年以内の見直し」を盛り込みました。

(12月22日現在、成立法案全文を見ることができるサイトなどを確認できていません。一方で、参議院法制局のサイトには修正条文の溶込版*6がありましたので、記事末の「5 参考文献」『webサイト』の項目にリンクを載せました。)

主要各政党の立場

衆議院の議員数での上位5位までの政党の、いわゆるカジノ法案に対する党としての賛否の立場はこうなっています。

自民党

賛成。今年度版の総合政策集には、「40 観光立国の推進」の項目で「カジノを含む統合型リゾート(IR)の推進」を実施すると明記されています。

民進党

党としては今国会での法案採決に反対民主党時代の党員の一部や維新の党からの党員などの存在で、党内は意見が二分されていますが、前述の通り5時間半というごく短時間の審議で衆院を通過したことに反発しています。参議院内閣委員会の委員長は民進党議員ですが、自民党民進党国会対策委員長の協議により委員会採決を行いました。

共産党

明確に反対。「反社会的勢力の介入、マネーロンダリング(資金洗浄)の横行、多重債務問題の再発、青少年への悪影響」などと弊害を列するとともに、パチンコの例を挙げながらギャンブル依存症への懸念も示しながら廃案を求めています。

公明党

党内で意見が集約できず、党としての統一意見なし。国会の採決では自主投票を決めました。

日本維新の会

賛成。特に、松井一郎代表はかなり前のめりのようで、自身が知事を務める大阪にIRを誘致しようと働きかけています。

 

法案の検討

法案の内容をよく把握したところで、ここからが本題です。法案を詳しく吟味してみましょう。目の前の箱に何が入っているかを知ることは前提条件であって、それを踏まえて目の前の箱にそれが入っていることの意味を考えることが大切なのです。では、まずは統合型リゾートのメリットについて見てみます。

統合型リゾートのメリット

これは「なぜIR整備をしようとするのか」という目的論の答えにもなるかもしれません。前掲の本法案第1条、第3条や国会での議論などを基にすると、現在言われているメリットは以下のようなものになります。

  • 外国人観光客の増加
  • 地域振興
  • 経済状況の改善
  • 雇用の増大
  • MICE*7の振興

特に、観光産業の国際競争力強化ということがやはり重視されているようです。

統合型リゾートのデメリット

メリットがあるものにはデメリットもあります。こちらも列挙して整理しておきます。

メリット・デメリットともに、下方の「メリットの検討」「デメリットの検討」で再度詳しく考えていきます。

法律の観点から

ここで、「カジノの解禁」が法律によって定められるということについて、一度立ち止まって検討します。というのも、カジノを含む賭博は、これまた法律によって禁止されているからです。

大学で法律を専攻してきた私が、おそらく人生初めて公共の場で法律論を語ります。分かりやすく説明していくよう心掛けておきます。

本法案の性格

まずは簡単な事柄を考えてみます。小学校で、クラスの児童に「調べ学習」をさせるシチュエーションを想像してください。このとき、先生は、何の説明もなしに「みなさん、調べ学習してください」と言うでしょうか。

おそらく言わないと思います。まずはどんなジャンルを調べさせるのか、どんな媒体を使って調べさせるのか、といった説明をするでしょう。また、調べた結果をどのようにまとめるのか、ということについても触れるかもしれません。もしくは、規定の期間内に調べ学習を終わらせるよう、「何月何日までに調べ終わって、何日までにまとめてください」という計画を示すこともあるでしょう。要は、全員に共通する基本ルールを先に伝えておくことで、後々児童の個別の調べ学習をスムーズに進めることができるようにするわけです。

法律を作るときにもこれと似たようなことが行われることがあります。

脚注1にも書いていますが、いわゆるカジノ法案の正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」です。助詞などを取り払ってもう少しだけ短くするとすれば、「特定複合観光施設区域整備推進法案」ということになります。

したがって、カジノ法案は「推進法」の一つといえます*8。法律の中には「~推進法」という名称を持つものが少なくありません。いじめ防止対策推進法や女性活躍社会推進法など、比較的身近な法律もあります。これら「推進法」の特徴は、条文の規定が個別の問題に対する答えを導くというよりは答えを導く足掛かりとなる(推進する)ように作られていること、と言うことができるかもしれません。これこそが、小学校の例でいう「基本ルール」なのです。

「推進法」と名の付くすべての法律がそうであるわけではありませんが、その多くが「基本法」と呼ばれるグループに含まれます。基本法とは、今後作られるであろう法律の前に作っておくことで手続きなどをスムーズに行えるようにするための法律のことを言います。そもそも法律とは、国民に対して「~する義務がある」「~してはいけない」「~する権利を与える」といった権利・義務を与えるルールですが、その根拠を定めるのが「基本法」である、と理解して大きな誤解はないでしょう。基本法では、国に対して「予め~などの準備をしておいてくださいね」という規定はあっても、国民に対しての規定はほとんどありません。ちなみに、基本法に対して後に定められる個別のルール(国民に権利や義務を生じさせる)を個別法と呼ぶことがあります。小学校の例で言えば、児童の一人が『日本におけるヌードの文化と変遷について』という教育上よろしくないテーマを選びそうだな、と思ったら「学校で習ったことを基にテーマを決めてね」と先に言っておいたりするのは個別法による規制ということです。

さて、カジノ法案に話を戻しましょう。この法律は、上で書いたように推進法であり、その中でも基本法の性格を持っています。だからこそ、法律の内容も「政府は~などの必要な措置を講ずる」とか「カジノ管理委員会を設置する」とか「入場料をとることができる」というように、具体的にどのように運営するかという点には入り込んでいないということなのです。

つまり、「カジノ法案」といいつつも、この法律が施行されたとたんにIRやカジノ施設を建設できるわけではなく、その後の個別法で建設場所や運営に伴うルールなどが具体的に定められてから全てが始まるというわけです。

ギャンブル関連の既存の法律

ところで、ギャンブルに関連する法律が作られたのはこれが初めてではありません。いわゆる公営ギャンブルでは、競馬では競馬法が、競輪では自転車競技法が、競艇ではモーターボート競争法が制定されています。また、宝くじも当せん金付証票法に保護されるものでなければ賭博に当たることになります。ちなみに、民間によるギャンブル形態としてはパチンコや麻雀*9がありますが、これは風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(いわゆる風営法)*10で規制されており、法律上は「ギャンブル」ではなく「遊戯」であるということになっています。

なぜ一つひとつのギャンブルを許可する法律が必要なのでしょうか。それは言うまでもなく、刑法185条に定める賭博罪に問われることがないようにするためです。

法定のギャンブルでは賭博罪に問われない理由

少しだけ話はそれますが、せっかくですので触れておきます。

例えば競馬場で競馬をしても賭博罪で逮捕されないのはなぜでしょうか。「競馬法があるから」というのは適切な答えのようですが、法学部の試験でそのように書いてしまったらおそらく減点されてしまいます。なぜ競馬法があれば賭博罪を犯したことにならないのか、という点を確認します。

これも、賭博罪と同様に刑法の規定によるものです。35条にこのような条文があります。

法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

そうです。競馬法という法令に則って賭けている場合は刑法35条によって罰を受けない、ということなのです。法律を学ぶ人は、これを「法令行為は違法性が阻却される」と説明するでしょう。したがって、競馬法で認められていない団体が運営する競馬で賭ける場合は当然賭博罪に問われることになります。

つまり、カジノに関しても、カジノを運営するに当たっての法律が制定され、その法律に従って開かれているカジノでなければ、運営側はもちろん来場者も罰せられるというわけです。今回の法案が可決されたとしてもまだカジノを開けないのはこれが理由です。

メリットの検討

カジノ法案の提出者や法案に賛成する人たちは、この法案のメリットを繰り返し述べています。一つひとつ批判的に*11見ていきましょう。このような検討をCritical Thinking(批判的思考)と呼ぶことがあるようです。全てをあるがままに受け入れるのではなく冷静に考えることで、物事の本質が見えやすいとされていますので、実践してみましょう。

もちろんデメリットに関しても全てを受け入れるのではなくメリットと同様に批判的に細かく吟味していきますのでご安心ください。

それでは、「統合型リゾートのメリット」で挙げたものをそれぞれ考えていきます。

外国人観光客の増加

統合型リゾートではカジノの他にも様々な施設が併設されることは前述の通りです。ただ、カジノ以外の施設が特別に外国人観光客の増加に資するとは考えにくいように思います。それらは既に日本に存在しているものであり、その数が増えたりそれらが一ヶ所にまとまっていたりしているとしても、観光客誘致の効果は薄いでしょう。

そうなると、やはり外国人観光客の増加はカジノ解禁が引き金になるという前提があることになります。外国人がカジノをしに来ることで、全体としての訪日客が増えるという図式です。そううまくいくと考えるのは少し甘いような気がしてしまいます。

海外に目を向ければ、カジノが既に解禁されている場所はあります。隣国の韓国、マカオ、そして有名な米国ラスベガス。設置が早ければ、廃れない限りその分の運営ノウハウは蓄積されますし、知名度も高まります。首相の国会答弁のような「経済効果に繋がる」ほどに、新参者の日本のカジノに集客力があるのかというのは疑問です。

更にラスベガスなどに関してはカジノ街となっています。簡単に言えば、日本のカジノに人が来るということは、裏返せば海外のカジノの客を盗むということになるわけですが、大きなカジノ街に日本の統合型リゾートが太刀打ちできるのでしょうか。

海外との比較でなくとも同様です。日本には多くの観光地があります。京都のように町並みそのものが観光スポットになっている場所、富士山のように日本を代表する自然、東京タワーのような人工物など、外国人観光客が「日本に来る意味」を見いだすことができる場所は想像以上に多いのです。その状況下で、統合型リゾートが果たす役割がどれほどなのか見えにくい状況であるように思えます。日本に来ようとする外国人観光客が、その目的地の一つとして統合型リゾートを選ぶほどの価値を産み出せるのかどうかで、「外国人観光客の増加」の見通しは変わってくるはずです。

地域振興

統合型リゾートを設置した地域の振興に役立つ、ということですね。

これは確かに一定の効果が出ると思われます。日本人であれ外国人であれ、統合型リゾートがあればそこへ来る人がいるわけですから、統合型リゾートがないよりは地域が賑わうことは間違いないでしょう。

ただ、なぜそれが統合型リゾートである必要があるのか、という点に関しては現時点では判然としない部分があります。すなわち、他の施設ではなし得ない高い集客力があるとは断定できない限り、統合型リゾートを造るために規制を緩和する必要性も根拠をもって説明することが難しいのです。

この点に関しては、実際に統合型リゾートが開業し、一定の期間を経て効果を見極めなければならないでしょう。そのときに、「やはり造らなくてよかったのではないか」ということにならなければいいですね。

経済状況の改善

統合型リゾートを造る。人が来る。お金を使う。店が儲かる。お金が回る。統合型リゾート外にも波及する。お金が回る。統合型リゾート設置地外にも波及する。お金が回る。国としての経済が上向く。景気がよくなる。

統合型リゾートによる日本経済の上昇とは、簡素化するとこのようなシナリオを描いているものと推察されます。「風が吹けば桶屋が儲かる」じゃあるまいし、と思ってしまうのは私だけではないはずです。それこそ外国人観光客が増えることを期待しているわけですが、これで経済効果が期待できるくらいなら苦労するはずがありません。確かに中国人のいわゆる爆買いは、経済に対して一定の刺激を与えましたが、今となってみればやはり一過性のものでした。

もちろん、爆買いは中国人を当てにしたものであって、客を待つ側の統合型リゾートとは少し状況は違うとは言えます。しかし、統合型リゾートが廃れないとは限らないのです。いかにも当然の帰結であるかのように「経済指標の上昇」を主張してしまうことの危険性は意識しておかなくてはなりません。

そもそも現政権は、物事を決めつけて脈絡もなく繋げてしまうのが得意なのです。安保関連法の成立を目指していたときも、「日本周辺の情勢が以前と異なってきた」ということを安保関連法の必要性と直接結びつけていました。日本が他国から攻撃されることに対抗するのは個別的自衛権の話、他国での紛争でアメリカの味方をしてあげるのは集団的自衛権の話であって、話が別なのです。更に言うと、おそらく首相は集団的自衛権と集団安全保障の違いも十分に理解できていないでしょう(この点について本論と無関係ですので割愛します)。

話がずれてしまいましたね。戻しましょう。

雇用の増大

統合型リゾートを作れば、そこで働く人の雇用が確保されます。また、カジノを造るとすればカジノ用機器の製造に当たる人などの雇用も生まれます。一理ある話です。

ただ、製造業者に関してはすぐに淘汰されていくことでしょう。統合型リゾートが日本のあちこちにできるような状況でなければ*12、一度カジノ用機器を作った後は製造の需要がほとんどなくなるからです。海外に輸出するといっても、既に市場ができてしまっている中に入っていくのは難しいでしょう。納品後のメンテナンスのために従業員をどれほど雇っていられるか、リスクは少なからずあります。

MICEの振興

法律の条文に「会議場施設」と明記されていますので、統合型リゾート整備の目的の一つには当然MICEが想定されているのでしょう。

実際に、自然環境の美しいリゾート地で国際会議を開くことは多い*13ですから、それが「統合型リゾート」という人工的なリゾートでもよいのかもしれません。

ただ、単にMICE振興のためなら敢えてカジノを併設する必要性には駆られないのであって、今回カジノを解禁する理由付けとして突然会議を挙げるのはやはり少し論拠不十分です。そもそも「カジノを解禁しよう」→「ただカジノ施設を造るのは法的に無理がありそうだから統合型リゾートというものを前提にしよう」→「統合型リゾートに会議場を併設すれば説得力が出る」というような流れをたどったのではないかと考えるのは、さほどうがった見方とは思いません。会議場があるからこそ統合型リゾートを国の政策として掲げられるわけでこれが単に遊び場を造る法律であって申し訳が立たない、と賛成派の議員団が考えているのではないかと捉えることで、カジノとMICEがスムーズに繋がるように感じられるのです。

デメリットの検討

続いて、カジノ解禁のデメリットに関しても同様に検討します。「本当にそうなのか!?」という視点を崩さずに読み解いていくこととしましょう。

反社会勢力の活発化

特に暴力団の資金源になるのではないか、という懸念です。もともと「賭博」として犯罪行為に含まれていたカジノを一部*14合法化するわけですから当然の考え方であろうと思います。

しかし、懸念ばかりを挙げていっても仕方がありません。何か新しいことをしようとするときには、利点とともに問題点が出てくるのは避けられないことなのです。大切なのは、問題点を克服する方策を立てられるかどうかです。

現在、一般論としては暴力団の活動が落ち着いていると言われています。それは自然に起きた変化ではなく、法律*15による規制があるためです。なぜカジノだけがその規制の除外対象になるでしょうか。現行の法令では足りない部分があるなら、既存法の改正なり、今後制定されるであろう統合型リゾートやカジノ解禁の詳細を定める法律なりによって、対策すれば良いはずなのです。

マネーロンダリングの温床になる可能性

マネーロンダリング、日本語で言えば資金洗浄と呼ばれる行為です。ニュースなどでも比較的多く用いられている用語ですので、説明は必要ないという方もいるでしょう。ただ、大学の同じ学科に所属する知り合いが「言葉は知っているが意味はよくわからない」と言っていたのを思い出しましたので、蛇足と思いつつ説明しておきます。ご不要の方は、下のパラグラフを飛ばして「カジノにおけるマネーロンダリングの構造は…」の部分からお読みいただければと思います(本論との分離の便宜上、マネーロンダリングの意味については〔引用〕の書式を使っていますが、文面は既存の文章の引用ではなく私の言葉で書いています)。

先述の通りマネーロンダリングとは「資金」を「洗浄」することですから、もとのお金は「汚れている」ということになります。汚れているお金、それはすなわち犯罪などによって得たものです。

これをそのまま持っていることは言うまでもなく危険でしょう。紙幣に書かれた番号記号や、場合によってはお金に付いた特徴的な傷や汚れなどから足がついてしまうかもしれません。しかし、入手方法は不法であってもせっかく得たものですから、そのお金を失うことなく、しかも裏にある犯罪行為などがバレないようにしたいのは当然のことと言えます。

ここで解決策を考えてみます。不法な行為がバレてしまう原因は、その多くがお金そのものの物理的な特徴(紙幣の通し番号など。先述)からです。したがって、単純に言えば、自分の手元の一万円札をこっそり他人の一万円札と交換してしまえば犯罪がバレないということになりそうです。これがマネーロンダリングの仕組みです。不当に得たお金は捜査機関にバレる前に市場に流し、「キレイな」お金と入れ換えてしまう、という行為です。

カジノにおけるマネーロンダリングの構造はこうです。不当に得たお金を持った人がカジノにやってきます。そこで賭けるのはもちろん「汚れたお金」です。ここ必要なことは、賭けに負けることです。負ければお金が他人に移り、その度に汚れが手元から離れていくためです。最初にルーレットで負けたら、次はポーカーに行きましょう。ここで勝てば、得たお金は「キレイなお金」です。一方のルーレットに残った「汚れたお金」は、その後の賭けによって他人間で行き来することになりますから、その度にお金が徐々に分散していきます。雑巾を絞った水の中に水道水を入れれば、汚水の濃度が薄まっていくのと似たイメージです。

更に他国のカジノでは、単なるマネーロンダリングを超えて汚職の場にもなっていることがあるようです。

現実問題として、これはどうしても防ぎようのないことのように見えます。犯罪をなくすことはできませんし、犯罪者が一切カジノに入れないようにする方策もありません*16。カジノを解禁する以上、当然あるべきこととして事実上黙認せざるをえないでしょう。

ギャンブル依存

一度と言わず見たことがあるでしょう。開店前からパチンコ店に並ぶ行列。駅構内や電車内での競馬の大々的な広告。

日本人は、他国と比べてもギャンブル依存症の人が多いと言われています。また、自分がギャンブルをしなくてもギャンブルに対する抵抗感が少ないという人は一定数いるようです。私自身は海外のことを肌で知っているわけではないので、その信憑性がどれ程であるかというのはなんとも判断しがたいところではありますが…。ただ、パチンコ店がこれほど乱立しているにもかかわらずあまりつぶれないのを見ると、まるっきり虚構であるとも言えない気がします。

いずれにせよ、カジノを造ればその楽しさに溺れてしまう人は必ずいます。そのような人たちをどのようにケアするか、増やさないようにするかが焦点でしょう。ギャンブル依存を懸念しながらギャンブル施設を造るのは、やはりどこかちぐはぐです。

生活環境の悪化

差別になるという批判が出ることを懸念してか、これを詳しく説明する人はあまり見たことはありませんが、要は「ギャンブルをするような人は外で何をするか分からない」ということが前提になっているように思えます。単純に人が増えてゴミのポイ捨てが増えるのではないか、などというレベルの話ではないはずです。また、反社会勢力の関与を防げる確証がないことも大きな理由の一つでしょう。「新たな観光地を作ろう」というときには生活環境の悪化を心配する声は、あるにしてもこれほど大きくないのが普通です。カジノを造るからこの批判が出ているわけです。

ただ、これに関しては警備を固めればある程度の効果はありそうに思います。また、統合型リゾートを一般居住地に建設するのではなく、江戸時代の出島のように出入りの規制をするという方法もあるでしょう(統合型リゾート内外の外国人観光客の増加率に違いが出るかもしれませんが)。他の問題と比べてしまうと、敢えて声高に言うほどの大問題ではなさそうに見えてきます。

 

ここまでの記述を振り返って

長々と書いてきましたが、おそらく今回の法律に関する話題は概ねカバーできたと自負しています。もしも「この論点が抜けているのでは」というところがありましたら、この記事のコメント欄に寄せていただくか、メールでお知らせください。コメント欄に関しては、記事下に「コメントを書く」というところがあります。見つけにくい上にモバイル版画面だと強調もされていないので見落としてしまいそうです。また、私のメールアドレスは、PC版画面ではサイドバー、モバイル版画面では記事下の「Profile」内に書いています。

この記事を書くに当たっては、できるだけ客観的な資料に基づいて事実を記述することを心掛けました。分かりやすくする目的で私見を交えた部分も、最小限に抑えたつもりです。しかし既に論点整理も終わりました。この『結』のセクションでは、私がカジノ法について考えていることを書き留めておきたいと思います。

基本的な立場

率直に言うと、私はこの法律には反対の考えを持っています。それは一人の日本人としてのことなのか、単に大学で法律を学びながら日々それなりに考えている葦としてのことなのかは分かりません。しかし、これがただ世論に乗っているのではない確固たる気持ちであることは確かです。

根本の部分を問います。なぜカジノを解禁するのか。上でも述べたように、カジノは本来法律で禁じられてきたものです。わざわざ法律の規制を緩和してまで解禁する必要があるのかという点において、十分な理由付けがなされていません。

今回のカジノ法に反対する理由1:審議経過

確かに、他の法律で認める行為は刑法上の犯罪には問われません。法律どうしで矛盾があってはいけませんから、その意味でこれは当然のことです。例えば逮捕監禁罪があるからといって、警察が被疑者を逮捕できないなどということがあっては不都合です。

しかし、今回のカジノ法はこの制度の悪用だと思います。法律さえ成立させてしまえば犯罪行為を犯罪行為でなくしてしまうことができるという考え方は、法令行為と正当業務行為を犯罪不成立とする刑法35条の趣旨とは全く違います。法令行為に犯罪が成立しないのは、その行為を認める法律が、国民の代表が集まる国会で承認されていることを前提としているからであるはずです。

今回のカジノ法案審議の中で、野党が「国会軽視である」と批判したことがあります。その真意は分かりませんが、少なくとも「野党だって国民の代表だ」という思いはあったのではないかと推察されます。現在自民党衆議院の過半数を占めていますが(なお参議院では半数未満)、だからといって法案審議をどれだけ重ねたとしても結局は自民党の意のまま、と納得することはできないというわけです。

法律というのは、国民に権利を与え、義務を課し、時には刑罰さえも下すことのできる重大なルールです。それが新法であろうと既存法の改正法であろうと、その内容の重要性の高さに関わらず、取り残しのないように議論し尽くされなければならないものだと思います。今回のカジノ法の法案審議にはこの視点がすっかり失われてしまっていたのではないか――。そんな極論さえ否定しきれないような気さえします。

今回のカジノ法に反対する理由2:ギャンブル過多

更に、この記事で統合型リゾートについてまだ指摘していないことがあります。カジノと、競馬や宝くじなどのいわゆる「公営ギャンブル」を、同列に扱ってはならないという点です。

公営ギャンブル」はその名の通り、省庁や都道府県の管轄下にあります。たとえば中央競馬*17であれば、国すなわち農林水産省が管理しているわけです。これを換言すると、「中央競馬の収益は国庫に入る」ということになるでしょう。同様に、東京都の宝くじであれば、お金は東京都に入ります。

一方のカジノではどうでしょう。今回のカジノ法の規定によれば、運営するのは民間であるとされていて、国や地方自治体は入場料などから取らない限りお金が入ってきません。カジノと公営ギャンブルでは、性格がまるで異なるのです。

ここで多くの人が心に引っ掛かるものを感じるであろうギャンブル形態があります。パチンコです。完全に民営のパチンコがなぜ問題にならないのかという点が疑問であるわけですね。これについては様々な憶測と定説とが絡み合っていて、客観的な事実としてどうなっているのか確実な情報を突き止めることはできません。一般論としては、北朝鮮の資金源になっているが取り締まれない理由があるとか、警察の天下り先になっているとか、何らかの利権構造をなしているという見解は一定の裏付けのもとにかなり現実的に語られています。しかし、その利権の恩恵を受けている人が白状することは期待できませんから、客観性を求めてしまうとやはり憶測の域を出ないのというのが実情なのでしょうか。ただ、少なくともパチンコがギャンブル依存の大きな温床となっていることは無視できない現実であって、これに加えてカジノを造ることに否定的になるのは自然なことなのではないかと思います。実際問題としても、私の家から徒歩3分圏内に4軒のパチンコ・スロット店があります。バス通りに面しているとはいえ、あまりに多いというのは否定できません。

今回のカジノ法を支持する意見としては、上述のように経済効果を期待する声が大きいようです。それは「統合型リゾート」全体というよりもカジノ解禁による効果を見込むものでしょう。もしもカジノ以外の部分に向けてより大きな期待をかけるのであれば、カジノ法を制定する必然性が失われるためです(カジノを除いた統合型リゾートであれば新法を作る必要はなく、行政的な規制緩和で十分)。逆に言えば、カジノ以外の施設を集めた統合型リゾートでは不十分である、という前提の下に議論されていることになります。単純化すると、ギャンブルで経済を活性化するということになります。「反社会的勢力の関与を防ぐための具体的な方策もまだ固まらず、国民の多数はカジノ解禁に批判的だけれど、一か八かとりあえず統合型リゾートを造ってみよう。ひょっとしたら思いの外うまくいくかもしれないし」――そのような政策は、それ自体がギャンブルです。

おわりに

時代は移り変わって行くものです。誰の目にも留まらないところで絶えず流れていく時間の中で、大きく社会が動く瞬間があります。その瞬間は、どれほどの長さがあるのでしょうか。何千年と続く人間の歴史から見たら、十年でも「瞬間」と言えるかもしれませんし、やはりまばたきするほどの一瞬のことなのかもしれません。その瞬間を生きる人は、その到来に気づくのでしょうか。

今回の法律の成立が、社会を大きく動かす震源になると言うつもりはありません。しかし、いわば「時の転換点」の始点に差し掛かっているのではないかという印象を受けます。

ひとつの例を考えてみます。江戸時代幕末、天皇を尊ぶいわゆる「尊皇論」が広がりました。その時点では社会に影響を与えるものではなかったと推測されます。しかし、黒船来航などを受けて外国排斥を唱えた「攘夷論」の高まりとともに、二つの勢力が合わさるのです(尊皇攘夷運動)。結果的に日本は開国しましたから攘夷派は主張の実現には至らなかったわけですが、大政奉還を経て明治時代に突入するなかで、尊皇という考え方は国民の共通認識になったものと思います。そして日清・日露戦争を10年のスパンでくぐり抜け、太平洋戦争に突入。戦後の天皇人間宣言まで、100年弱の間に日本社会はがらりと変わったといってよいでしょう。このようにしてみると、幕末の尊皇論が大正・昭和の社会の遠因になっているように見えてきます。そしてその尊皇論も攘夷の流れの中で力を伸長させたわけですから、一見すると何でもないように見えるようなことがきっかけとなって思いもよらない変化を生み出すことがあるのです。江戸時代の武士たちも、まさか80年後に日本がアメリカ・イギリス・中国・オランダに経済包囲網(ABCD包囲網)を敷かれることになるとは予測しなかったでしょう。

今を生きている私たちには、現在の社会が未来の社会にどのような影響を与えるのか、それとも何の影響も与えないのか、まったく予想できません。未来のことを「きっとこうなるだろう」と言ったところで意味もないのです。どの時代であっても、その場にいる「現在の人々」しか存在しません。私たちはただ、「現在」をどんな時代にするのかを考えることが大切なのだと思います。だからこそ、社会を規律する法律の審議は徹底的に行われるべきですし、社会を司る政治にも最低限の関心を払っておくべきだと言いたいのです。

過去の積み重ねが現在になっているように、現在の積み重ねが未来になります。「一寸先は闇」ならば、目の前の一寸だけでも確実に照らしながら歩けば、足元はずっと明るいのです。火を起こして辺り全体を明るくしようなどと言って大博打に出たりすると、思わぬ損をしてしまうかもしれませんからね。

(了)

 

参考文献

書籍

主なものを示す。

法律論として

批判的思考について

webサイト

以下、本文記述順に

 

本文中で触れたカジノ法を除く法律

*1:正式法案名:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案。

*2:Integrated Resortの頭文字。統合型リゾートのこと。

*3:「特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことが必要である。これが、この法律案を提出する理由である。」

*4:カジノ施設の設置者及び運営者、設置運営に従事しようとする者、カジノ関連機器の製造、輸入又は販売をしようとする者並びにカジノ施設において入場者に対する役務の提供を行おうとする者を指す。

*5:憲法59条2項による衆議院の優越。参議院で可決する法案の内容は、修正が施されたものなので両院で異なった議決をしたものと解される。したがって、衆議院の出席議員の3分の2の可決によって法案は成立する。

*6:国会や地方議会を含めた大きな意味での立法部では、法令などの修正も重要な役割の一つである。その際に、議会で議論すべきは修正部分の是非であるから、特に条文数の多い法令では採決の度に全文を扱うのは非効率といえる。そこで、修正案は「~法第○条中『××××』の直前に『△△』を加え、『□□□□』を削除する」のように記述するのが一般的である。この修正にしたがってもとの条文などを読み替えると、修正部分が溶け込んで新しい条文ができる。この修正文(「~法第○条中…」)を「溶込版」と呼ぶ。

*7:Meetings(会合), Incentives(招待旅行), Conferences(会議), Exhibitions(展覧会)の頭文字より。

*8:ただし、一つのカテゴリーとして「推進法」という法分類をすることは一般的ではない。ここでは話をスムーズに進めるためにこのように記述した。

*9:賭け麻雀は法律上禁止されている。ただし、風営法2条1項4号による営業形態とされ、「客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」であることからここではギャンブルに含める。

*10:2条1項4号。

*11:「批判的に」とは言っても、全てを非難するということではなく、「吟味」と共通する部分があり、正を正とし誤を誤とするために冷静に読み解くことを指す。この点においてはイマヌエル・カントの著書『純粋理性批判』の「批判」の意味に近いと言える。

*12:そのような状況はまず実現し得ない。それは首相も認めていることである。

*13:日本で開催されたものでも、洞爺湖サミットや伊勢志摩サミットなどがある。伊勢志摩でサミットを行うことを決定した際、首相が「日本の美しい自然…を世界のリーダーに感じてもらえる場所にしたいと考えた」と話したように、サミット開催地選定に当たっては、警備上の観点などとともに周辺環境などの印象も加味していると見られる。

*14:現在想定されているのは統合型リゾート内でのみの解禁である。

*15:中核になるのはいわゆる暴対法であるが、その周辺に細かな法令が備えられている。

*16:カジノに入る前に犯罪者であるかどうかを確認することは事実上不可能。見ただけでは犯罪者かどうか分からない人を入れないようにするのが主目的であるから、既に犯罪者であると分かっている場合はこの際は関係がない(逮捕すればよい)。とはいえ犯罪者が自分の犯罪を申告するはずはなく、マネーロンダリングを防ぐためといって手持ちのお金を全て調べることは煩雑に過ぎ現実的ではない。

*17:日本中央競馬会(JRA)が主催し、東京・京都・札幌・函館・福島・中山・中京・新潟・阪神・小倉の10競馬場をベースに行っている競馬。